【短編】少年と少女と美術館の龍
美術館の龍
「初めて美術館で『龍』を見た時、僕は彼を助けたい。って思ったんだ」
アーネルは両手を広げ何故だか嬉しそうに、隣に腰掛けるルーティエに語る。
ため息を一つつき
「何度も聞いたわ。その話」
と、金髪緑眼の少女ルーティエはつまらなそうに返した。
それもそのはず。アーネルはルーティエと会話する度にその話をするのだ。それも四歳の頃から十年経った今でも。
アーネルにとっては十年も昔から抱く思いだが、聞かされるこっちはたまったもんじゃない。
アーネルは両手を広げ何故だか嬉しそうに、隣に腰掛けるルーティエに語る。
ため息を一つつき
「何度も聞いたわ。その話」
と、金髪緑眼の少女ルーティエはつまらなそうに返した。
それもそのはず。アーネルはルーティエと会話する度にその話をするのだ。それも四歳の頃から十年経った今でも。
アーネルにとっては十年も昔から抱く思いだが、聞かされるこっちはたまったもんじゃない。