【短編】少年と少女と美術館の龍
「ルーティエ早く!!」


ルーティエの目の前にアーネルが手を伸ばす。



この手を掴めばルーティエはアーネル、それと『龍』と共にどこへでも行ける。


愛しいアーネルのそばにいれる。


それはルーティエの幼い頃から胸に抱き続ける願い。


ルーティエは手を伸ばし、アーネルの手を掴もうとした。


その手が重なろうとした、瞬間、ルーティエの手が宙で止まる。


「……ルーティエ?」
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