∞いちしのはな∞




「ただいま」


真っ暗な部屋を進むと、テレビだけが青く光っていた。

その前で、大きな芋虫みたいな塊がスヤスヤ眠っている。


わざわざ毛布を持って来て映画を見たんだろう。


「そんな意地になって見て、どーしたの?」


めくれかけた毛布を直し、芋虫になっている彼女に、ふっと笑いがこぼれる。
食べ散らかされ、ほったらかされた魚肉ソーセージが彼女の性格をまじまじと訴えていた。
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