∞いちしのはな∞

今日に至っては、僕が起きたときには既に彼女は居なかった。

毎日確実に広がる距離を
僕は今、寝ぼけて倒して一斉に床を漂い広がるブドウジュース越しに感じている。

ゆらゆらとさ迷う波はコップへとたどり着くことなく
誰かに飲み干して貰えることも無く
ただ、紫色のまま広がるしかないのだ。

たった一時、誤ってしまえば
簡単に離別するのだ。

乾いたグラスが小窓から差し込む日の明かりを反射させている。



今日も天気だ。
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