放課後の寝技特訓・熊田先輩の横四方固め
亜希はね、きれいな娘。

でも、目立たない娘だった。

目立たないっていっても、おとなしい感じではないんだ。
むしろ性格は若干強めだしさ。
う〜ん、なんていうのかな?
目立つのを避けてるような感じ。
まあ、俺から見ればだけどね。

だから、不思議な印象というかさ、他の女子達とは違うなって思ってたんだ。

女子なんてみんなワイワイやってるでしょ。
どうでもいい話をワイワイやってるじゃん。
TVだ、音楽だ、ファッションだ、ってさ。

亜希はね、そういう輪には入っていかないんだよね。
盛り上がり?
女子特有のあの騒がしい空気になると、一歩スッと引いてくんだよね。

そこで“そうだよね〜”って合いの手入れれば、もう1段階親密さが増しそうだってとこで、一歩引くの。

それに気が付いた時、“この娘は、わざとクラスの女子と仲良くならないようにしてるのかな?”って考えちゃったくらいだもんね。
まあ、これから高校生活を始めるのに、わざと人と仲良くならないようにするなんてないだろうからさ、そういう性格の娘なんだろうなって思ったけどさ。

うん、きれいだけど変わってる娘だなって、俺の亜希への印象だったんだ。
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