【長編】私の道
「悠斗、この間はごめんね。」
私は、すぐに謝った。
「うん?なにが?」
「悠斗のために歌ってないとか嘘言って。」
そう、あれは嘘。
私は、いつも好きな人を思い浮かべて歌おうとすると悠斗が出てくるんだ。
「嘘?」
「だって、思い浮かべなくても自然と悠斗しか出てこないの。」
「ホントか?」
悠斗が私を抱きしめた。
「うん。だから、人前で言えるわけなかった。」
「はぁ。未來は、ツンデレかよ。」
悠斗は、安心したようにため息をついた。
「悠斗がっていうより、flyがおかしいからでしょ。」
そう。
私は、ちょっと怒ってる。
あんなにさ。
「それは、仕方ないんだよ。」
悠斗は、気まずそうだった。
「なんで?」
「flyは、俺含めて未來にメロメロだから。俺に対する嫌がらせ。」
私が悠斗のになったから?
あの人たちなりの祝福の仕方だったんだ。
「私、悠斗が大好きだよ。」
「フッ。俺は、未來を愛してる。」
私と悠斗は、抱き合いながら愛の言葉を囁きあった。
幸せなひととき。
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