Bizarre Witch~猟奇的な魔女~
それから小一時間、アメリアを説得していたが失敗に終わった。
こんなにも頑固で頑なな女の子は初めてだった。
アメリア曰く、俺が悪魔に食われたら自分が困るので、こっちの事情は関係ないのだそうだ。
時刻は深夜2時。
すっかり目が冴えてしまっている。
俺は玄関でアメリアを見送っている。
「それじゃあ、今夜のうちにこの辺りの見回りを済ませてくるから。私がいない間に逃げたりしてもむだよ。ショウほどの記憶を持った人間なら直ぐに探し出せるわ」
俺をアンタと呼んだり、あなたと呼んだり、と思ったら今みたいに呼び捨てで呼んだり、対応に困る。
「逃げないですよ。一体どこに逃げ場所があるんですか」
「念のためよ」
そう言ってアメリアはロングコートをなびかせ、夜の闇に消えていった。
内心、このまま戻って来ないことを願っていたのは事実だ。
だが、どうにもこのまま何も起こらないということは無いだろうと、薄々感じていた。
俺は、俺の日常が音も無く、いや本当はとてつもない大きな音を立てているのかもしれなかったが、気付いていないだけなのかもしれなかった。
日常は崩れ始めていた。
こんなにも頑固で頑なな女の子は初めてだった。
アメリア曰く、俺が悪魔に食われたら自分が困るので、こっちの事情は関係ないのだそうだ。
時刻は深夜2時。
すっかり目が冴えてしまっている。
俺は玄関でアメリアを見送っている。
「それじゃあ、今夜のうちにこの辺りの見回りを済ませてくるから。私がいない間に逃げたりしてもむだよ。ショウほどの記憶を持った人間なら直ぐに探し出せるわ」
俺をアンタと呼んだり、あなたと呼んだり、と思ったら今みたいに呼び捨てで呼んだり、対応に困る。
「逃げないですよ。一体どこに逃げ場所があるんですか」
「念のためよ」
そう言ってアメリアはロングコートをなびかせ、夜の闇に消えていった。
内心、このまま戻って来ないことを願っていたのは事実だ。
だが、どうにもこのまま何も起こらないということは無いだろうと、薄々感じていた。
俺は、俺の日常が音も無く、いや本当はとてつもない大きな音を立てているのかもしれなかったが、気付いていないだけなのかもしれなかった。
日常は崩れ始めていた。