Bizarre Witch~猟奇的な魔女~
「大丈夫よ。それも今の内。いずれあなたを喰おうとする悪魔が現れる。その時は否応無しに現実を突きつけられるから」


そう言うアメリアの顔は真剣そのもの。それは死という生きてる人間にとっては遠い存在を知っている顔のように見えた。整った綺麗な顔立ちをしたアメリアと相まって、現実味を覚えさせられそうになる。


「あの……?」


俺はいよいよ大きな不安に襲われた。


「何?」


とアメリア。


「アメリアさんはこれからどうするつもりですか?」


恐る恐る聞いてみる。


「それは勿論。あなたを悪魔から護らなければいけないから、これからしばらくは一緒に過ごすことになると思うわ。たぶんあなたが死ぬまでね」


ガツンと頭をハンマーで殴られたような感覚に襲われた。


一緒に過ごす?


同棲の二文字が頭をよぎる。


いや、家には俺を含め7人の家族がいる。つまりは同棲ではなく居候ということになるではないか!?


無理だっ。どうやって家族に説明すんだ。隠そうにも家にはそんなスペースはあいにく無い。


いやいや。待て待て。どうして居候させる必要がある?第一に悪魔なんて存在架空のものでしかないのに。危うく信じるとこだ。大丈夫、自分の身は自分で護れますっ。


「やっぱりそんな、家に住むなんて無理ですよ。親にどう説明するんですか?俺だってアメリアさんに会ってから1時間も経ってないのに」
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