ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
そんなウシオからの突然の告白。
驚かずにはいられない。
「ちょっ…、何言ってんの…?変な冗談やめてよね…!」
私がそう言うと、
「冗談なんかじゃないよ。俺マジだし」
ウシオは真顔でそう言った。
「……」
どうしよう…。
こういうことに免疫のない私としては、こういうときどう対処したらいいのかわからない。
…私がうろたえ始めたそのとき。
稽古場に入ろうとしていたガンさんが、私に救いの手を差し延べてくれた。
「そこのふたり!練習始めるぞ。早く中に入れよ」
ガンさんというのは、我が劇団の主宰者兼・演出家だ。
“岩田”という名前からみんなに“ガンさん”と呼ばれているみたいだけど、
私的には彼が頑固なため、“ガンさん”と呼ばれているような気がしてならなかった。