ターニングポイント
支度を整え、母の愛車だった赤いアルファ ロメオに乗り込んだ。


墓地は、自宅から車で20分ほどのところにあった。


そこには、母方の佐野家のお墓もあるので、陶子さんも墓地の場所は知っているらしい。


ただ、だだっ広い墓地のどこにうちのお墓があるのかは知らないので、その場所を教えてくれと言われた。



陶子さんの運転は、とてもスマートだった。


母も女性にしては運転のうまい人だったけれど、陶子さんもよく運転するらしく車には慣れているようだった。


ただ、母さん以外の女の人と2人きりで車に乗るなんて初めてで、なんだか少し落ち着かない気分だった。


「叔父様、相変わらず瑞江さんにはアルファ ロメオだったのね。
6年前と型は違うみたいだけど」




< 36 / 200 >

この作品をシェア

pagetop