青汁とカプチーノ



「うまっ………。」


いつもより、美味しい…。


なんでだろ……。


気付いたら青汁プリン
はきれいさっぱり
消えていた。


「チビ男!!」

帰り際、あたしは
一生懸命働く1番小さな男
に向かって叫んだ。


「なんだー?」


楽しい会話を

「ごちそーさまっ。
今日はありがとね。」


自分でもこんなヤツに
礼言ってることが
やけに恥ずかしくなった。


でも、こんなに
大きな口であたしを
笑わせてくれたのは……

感謝かもな。


お姫様キャラに疲れてきた
心を潤してくれたから。


「おう……。また来いよ!」

チビ男は客という感覚を
忘れて、サラっと
言うので、今度は
あたしから挑発させてやった。


「あたし、お客様だけど〜?!」

嫌味っぽく言うと
智はハイハイと
いうような表情をして

「またのご来店お待ち
してますうー。」


と、口をとがらせ
ながら言った。


そのブサイクな顔と
めんどくさそーな声に
自然に口元が緩んだ。


言われなくても
また来るっつーの!!


カランコロン……♪


ゆっくり、喫茶店の
ドアが閉まる…。


「はぁーいい気分っ♪」


あたしは雲ひとつない
オレンジの夕焼け空の下で
歌を歌いながら家まで
リズミカルに自転車を
漕いで帰った。




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