幻想美術館
呆然と立ちつくしている僕を、突然、深い霧が包みこんだ。

次第に、その女の人の髪は黒くなり、顔も変わっていった。

そして、その顔は、驚いたことに幼い頃死んだ母さんそのものだったのだ。

「母さん!?」

僕が叫ぶと同時に、周りの景色が変わり、また元の美術館の回廊に戻っていた。
< 6 / 46 >

この作品をシェア

pagetop