23時の情熱

着信は玄さんだった。

急いで通話ボタンを押す。

「瞳子?今うちにおるんか?」

「……いるよ」
熱を持つ息が荒くなっていた。

「そか。いやぁ朝方まで呑まされて………瞳子?どうかしたんか?」

「うん…ちょっと調子悪い」

「具合悪いんか?熱は?」
「8度…7分」

「アカンやんか、大丈夫か?……ほなすぐ行くわ!」

電話が切れた。



………嘘。
来てくれるの?


ぼーっとした頭は回転が悪い。

えーっと……。
部屋散らかってるしなんか変なカッコしてるし顔も赤いし唇カッサカサだし…。

必死に頭を回転させるのに、身体がダルくて動けない。


どうしよう。玄さんが来ちゃう。


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