君に届け



「幸村!!」



大きな音がして、扉が開いたと思ったら、そこには息を切らした池澤の姿があった。



片手には授業があったのか、教科書やノートを持っている。



「先輩…何…やって…」



息を切らしながら言う池澤は、葛城先生を睨み付けている。



そんな池澤の目は、とても怖くて、いつもの優しい感じはなくなっていた。



「何って…幸村と話をしてただけだよ?」



葛城先生は、池澤に怯むことなく、笑いながらそう言った。



「違う…先輩は…」



そう言いながら葛城先生に早足で近付いていく池澤。



そして、葛城先生の胸ぐらを掴んだ。



「先輩…この子は幸村なんだよ!愛奈じゃないんだ!!」



意味わかんない…







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