龍と語る者たち 〜龍と姫君〜
「それが、大地に生きる龍、緋龍です」

リティアが振り返ると、ジンが立っていた。


「……ひりゅう?」

「えぇ。3つの龍族の内の1つ、緋龍です。野生で生きているのは、恐らくこの島の龍だけでしょう……」


ジンは悲しげな眼差しを、緋龍に向けた。

緋龍はリティアから離れ、ジンに近づいた。

「……野生と言っても、たいした自由は無いようだな……」

ジンは緋龍を優しく撫で、リティアに言った。


「私は、"迅龍"でした」

「それって、クリミアテス国の兵士の中でも、最も優れた人たちの事でしょ……?」


「はい。……私は、あなたのお父様の下で働いていた兵士です。あなたのお父様、国王陛下は、私にあなたを守るよう、命を受けました。だから、あなたは生きている」


リティアは驚いた。

リティアは、自分がクリミアテス国の人間であるということしか、知らなかったのだから。
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