ふみちゃんとカランコエ
カランコエ
「おはよう」
誰もいないのにそんな声が聞こえたので、
ふみちゃんはびっくりしました。
「おはよう。ふみちゃん。」
あら私の名前知ってるわ。
とさらに驚きました。

「あたしよ。カランコエ。」
と声の主が言います。
先週ママが買ってくれて
部屋に置いてある小さな鉢植えの
カランコエでした。

「驚いた?ごめんね。
昨日の夜流れ星があってね。
その時お願いをしたの。
『ふみちゃんとお話ができますように。』
って、
そしたら、今朝から私の声がふみちゃんに
届くようになったの。」

突然言われても鉢植えのカランコエが
なぜ話せるのか、ふみちゃんにはわかりませんでした。

でもさらに声が言います。
「何のご用かと言うとね。
私、カランコエは、そんなに毎日水を
もらわなくて良いのよ。
少し乾いている方がいいの。
今度からお水が飲みたくなったら、
ふみちゃんを呼ぶから、しばらくかけないでね。」

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