僕の中の十字架
〈saturnus〉




「…………」「…………」


「サエちゃん、クロエ君、その生暖かい視線はなに?」


「二人って……」


「なんか………」



仲良しですねー、と言うと北村さんが慌てて富士原さんが調子のるだろうから言わないでおこう。



「なぁに?」


「なんすか」


「別に」「何でもないです」


「へぇ………」「ならば別に良いけどね……」



気になってることが二人してよく分かった。

っていうか、二人して同じ様に首を傾げてるから。


……なんなのこの二人………。



「で、野田さんの水筒に、一体誰が青酸カリを入れたんでしょうね」


「それよ」「それなんですよ」



北村さんは机に両手を突いて、此方に身を乗り出した。



「私ぶっちゃけ、野田さん周辺の軋轢云々知らんのよ」


「調べてませんからね」


「調べてないなら当たり前じゃん」



サエの言うとおりだ。
仮にも警察なんだからもっと頑張れよ。


野田さんの事で不自然なもの、といったら、先生の“イジメ”疑惑なんだが。





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