ラブストーリーを一緒に
ふぅぅ…と息をついて、そのまま机の上に伏せった。


放課後の誰もいない教室は、カーテンのひかれてない窓から直接夕日にさらされて、オレンジ色に染まってる。


がらんどうの辺りを見渡して、余計虚しくなったのには気付かないふりをした。


「なんで…?」


なんでって、理由はわかってる。


今まで素直に感動できたはずの小説が、


受け付けられない。


誤解のないように補足すると、文章もストーリーもわたしは大好きで大好きで、何度読んでも飽き足らなかったのに、


思い入れが強すぎて辛くなるんだ。


嫌でも、この本を書いた人物を思い出してしまうから。
< 129 / 138 >

この作品をシェア

pagetop