ラブストーリーを一緒に
フワフワの生クリームの上には、キラキラと、大粒の苺ちゃんがのってる。


「先生が買ってきてくれたんですか?」


一瞬、全身黒のオールバックでサングラスかけた先生が、ケーキを買ってる姿を想像してしまう。


「特別に届けてもらった」


「え…!?」


ケーキ屋さんに出張サービスはなかったと思うけど。


「まぁ…本来なら外に連れ出してやりてぇんだけどな…」


先生は自分でいれた珈琲をブラックのまますすったけど、わたしは一緒に添えられたミルクを混ぜる。


「そんな…十分です。…先生って意外と義理堅いんですね」


「意外とは余計だ」


つんっとおでこを軽く突かれて、正直なわたしの心臓が大きくのけ反った。
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