49日
七日目

お葬式

“49日”をおこなってから7日目。


麻里子は再びこの町に戻って来た。


いや……


もしかしたら“彼女”に引き戻されたのかもしれない。


「それではみなさん。これが最後のお別れとなります。どうぞお近くに」


火葬場の人に声をかけられ、棺のまわりに人が集まる。


黒い喪服に身を包んだ麻里子は少し離れた位置から棺のなかに目をやった。


「なつみ!」


加奈子が顔をくしゃくしゃにしながら泣いている。


棺のなかには子供のように眠る飯倉奈津美の姿があった。

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