49日
「なんか……」


「?」


「いや……なんでもない」


犬飼は何かを言いかけてやめた。


彼が何を言おうとしたのか……なんとなくわかる気がする。


「そういえば、49日のこと何かわかった?」


麻里子が声をかけた。


しかし、犬飼は何も言わず首を横に振った。


やっぱり……簡単には解決しない。


わかってはいたけど、どこかでいいニュースが聞けることを期待していた。


「そっか……」


「うん……。何人かには連絡したんだけどな……」


「……」


「ただ……」


「?」


「ただ、ひとり気になることを言ってる奴がいるんだ」
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