49日
遺体は……間違いなく伊藤先生のものだった。


だけど……


「渡瀬さんも見たでしょ。伊藤先生の顔……」


「うん……」


あの顔は“普通”じゃなかった。


両目は眼球が飛び出そうなくらい開いており、


口は何かを叫んでいるかのように開いている。


あれはそう……


「何かに怯えてるようだった……」


彼女だけじゃなく、麻里子もそう思った。


いったい、先生は死ぬ間際に何を見たんだろう?

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