超能力者が高校生!?
入り口を見ると、ボロボロの服を着た男がコンビに弁当を持って逃げ出そうとした。
「ちっ!」
その男は、俺たちの方を見るととっさに逃げ出した。
「白鷺!追いかけるぞ!」
「ええ!」
男は、これまたボロボロの靴で走っていた。時折こちらを見ると加速をし始めた。
「なんて足の速さだ!追いつけるのか?」

万引きを追いかけて5分ほど経ち、俺たちは万引きを路地裏に追い詰めた。
「もう逃げられないぞ・・・、はあはあ」
「おとなしくしなさい、はあはあ」
俺たちはすでに息切れしているが、男はそんな素振りも見せなかった。ただそこに立ち尽くしていた。
「・・・ふん、さすがは能力者だけのことはあるな・・・」
「なあ、白鷺。最初からこいつを念力で封じれば良かったんじゃないか?」
「あ、忘れてたわ」
「思い出したなら、はあはあ、早くしてくれ」
「わかってるわよ、ザイルレッグ!」
戦いのときとは違う呪文を唱え、男に集中した。それと同時に、男は動かなくなり、「うっ・・・」とうなっていた。
「恭介!早く今のうちに!」
「ああ・・・、すまないがそれを返してもらうぜ」
「ふ・・・、無駄だ」
そう言うと男は、突然消えた。跡形もなく・・・。
「えっ!?ど、どこに行ったんだ・・・?」
「きょ・・・恭介?」
「白鷺!あいつは?」
「わからない・・・。でも、手ごたえはあるはずよ?」
「ど、どこに・・・?」

結局万引きを捕まえることはできず、俺たちはさっきのコンビニへと戻った。金はまた俺が払うこととなり、本日はいろんな意味で大損した。
「なあ、あいつどこに行ったと思う?」
「知らないわよそんなの。あんたが一番知ってるんじゃないの?」
「何で俺が?」
「・・・なんとなくよ」



< 22 / 36 >

この作品をシェア

pagetop