超能力者が高校生!?

初会議

翌日、俺は学園に通いながら考えていた。もちろん昨日の万引き犯のことだ。路地裏にまで追い込み、白鷺が念力でそいつを抑えている間に俺が捕まえる作戦だったのだが、俺が捕まえようとした瞬間に突然消えてしまった。本当に一瞬の出来事だった。
その後に俺たちはコンビニに戻って、俺が金を払って解散となったのだが、俺は昨日の夜、どうしても眠ることができなかった。
そいつが消える瞬間に、能力がどうしたと言っていたのだ。そいつが能力者なのかはわからない。しかし、突然消えたことに関しては、そいつは超能力に何か関係があるのではないかと考えているのだ。
「はあ・・・、考えていても仕方ないな」
たぶん、白鷺もそのことについて何か考えているのだろう。そのときにまた相談すればいいのだ。一応、土田や藤沢には伝えたほうがいいのだろうか・・・。

学校の授業が終わり、俺はすぐに部室へと向かった。部室からは光が漏れていた。きっと、もう誰か来ているのだろう。中からは音がしない。トイレにでも行ってるのだろうか・・・?仕方なく、俺は部室のドアを開けた。
「ちわー・・・」
俺は簡単な挨拶をし、部室に入った・・・までは良かったのだが、中では重い空気が走っていた。白鷺と土田が先に来ていて、互いに背中を向けていた。まるで恋人同士がけんかしているようだった。その真ん中で藤沢が本を読んでいる。明らかに「来るな」みたいな空気だった。だが俺は一切躊躇しないようにした。
「よ、よー!どうしたんだ、みんな?元気がないなー。あっはっはっは・・・」
「・・・・・・・・」
だめだ!何か、めっちゃ恥ずかしいじゃないか・・・!3人はノーリアクションというより、俺の存在をまるで気にしないような様子じゃねーか!いくらなんでもつらい!つらすぎる・・・!
「何?」
藤沢が唯一答えてくれた。普段ならあまり返事とかされたくないのだが、こんなときだと何だか助かる・・・。
「い、いや・・・。どうしたんだ?こいつら」
「・・・見ての通り」
「見ての通りって、見てもわからないから言ってるんだよ」
「そう」

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