超能力者が高校生!?
図書室から部室に戻った俺たちは、同好会初の会議を始めることとなった。議題はもちろん突然消えた万引き犯についてだ。藤沢が無関心なのはともかく、土田が不機嫌でいた。何をいらいらしているのだろう?
「そういうことで、その犯人について何か心当たりがある人?」
全員ノーリアクション。と言うより考える仕草もしないのはどういうことだよ。俺も人のことは言えないが。
「お前はどうなんだ、何か心当たりはあるのか?」
「心当たりって言われても・・・。やっぱり能力に関係があるんじゃないかしら?ワープをするとかそういうベタな」
「だったらどうしてわざわざ店を出る必要があるんだよ?そのままワープすれば良いんじゃないか?」
「そ、そうよね・・・」
待てよ。確かになぜ犯人はそうしなかった?俺たちから逃げる間にもそうすれば良かったじゃないか。いや、それ以前にどうしてあんな人通りもない路地裏になんか逃げ込んだ?そういう場所ならだいたい行き止まりじゃないか。いや、どうしてあいつは、白鷺が能力を使う前に超能力者であること知っていたんだ?
まさか、俺たちが能力を使えることを知っていて誘った?でも、どうしてそんなことを・・・?
ふと、藤沢が読んでいる本に目をやった。・・・・・・・・!
「そうか!そういうことだったのか!」
「ど、どうしたの恭介?」
「白鷺、俺にいい考えがある」
「ん?」
< 26 / 36 >

この作品をシェア

pagetop