超能力者が高校生!?

同志

「どうしたの?能力があるのに使わないの?」
「能力・・・」
その能力とやらがどんなものなのかは、俺が一番よく知っている。でも実際人に使ったことなんかないのに、どうしろと言うのだろう・・・?
「・・・やめた。あんたなんか殺しても、こっちとしては何の利もないしね。明日、学校の授業が終わっても教室に残っていてね。わかった?」
「あ、ああ・・・」
俺を殺そうとしたやつに、普通に返事してしまった。いつの間にか俺の体は自由に動き、そいつもすでに帰路についていた。
「白鷺真希(しらさぎまき)」
「え?」
「あたしの名前!」
と言い残すと、本当に帰ってしまった。・・・俺の名前は言わなくて良かったのか?というかカッターは?

翌日、クラスの連中がみんな帰っても、俺は1人教室に残っていた。もちろんあの白鷺ってやつに待てと言われたからだ。待たないとまた命を狙われる可能性もあるし、そのうえ念力みたいな能力を持っているのならなおさらだ。今度こそ間違いなく殺される。
そんなことを考えていると、白鷺がやってきた。
「待ってたわね?」
「待てと言われたからな」
「付いてきて」
俺の質問への回答も無視して歩き出した。俺は今、こいつにぶつけたい質問は山ほどある。俺の命を狙った理由や、あの力のこと、カッターの居場所などなど。だがそんなことを言うほどの空気ではなかった。あいつの目には昨日みたいな殺気はなく、むしろ楽しみにしているような目だった。
「着いたわよ」
いつの間にか着いていたらしい。着いた場所は来たことがない場所で、教室がたくさんあった校舎とは違い、いくつもの部室が並んだ古めの校舎だった。俺たちはそのひとつの部室の前にいた。
「ここは何だ?」
「部室とかが集まっている校舎」
「どうしてこんなところに連れてきた?」
「ちょっとね」
ドアのの上のプレートには、超能力者同好会という紙が入っていた。
「超能力者・・・同好会?」
「そう、ここに入って」
「ん・・・わかった」
しびしぶ同意した。
「お邪魔しまーす」
ドアを開けて入ると中には、男子1名、女子1名の計2名が居座っていた。
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