詩音-シオン-
夜の足跡は
どんなに思っても 届かないなんて
惨めな私を 笑うんでしょう
月明かりの夜 その灯は満月
兎たちは 笑うんでしょう

白い粉雪が一面 足跡をも消去り
何もなかったかのように 時を刻んでいく…

鋭い刃で仮面をはがす
その姿は 悪魔の ようで
紅い瞳 真紅なルージュ
私の心を奪わってく
その場所には もう何も残らない

どんなに願っても 届かないなんて
情けない私を 笑うんでしょう
闇夜の深声(シンセイ) その声(オト)の主
獣たちは 笑うんでしょう

黒い粉雪が一面 足跡をつけてゆく
追いかける足音が 時を止めてくる…

戻れない振り返れない 
怖くて 涙を 流す
黒い瞳 真黒なルージュ
私を黒く染めてゆく
その場所には 傷跡が残る

紅と黒の液体 私の体を包みゆく
手を伸ばしても 何も掴めない外にも出れない

鋭い刃で仮面をはがす
その姿は 悪魔の ようで
紅い瞳 真紅なルージュ
私の心を奪わってく

戻れない振り返れない 
怖くて 涙を 流す
黒い瞳 真黒なルージュ
私を黒く染めてゆく
その場所には 血痕が残る

「ダレカ ダレカ」 叫んでも届かない
「タスケテ タスケテ」 願っても届かない
「コワイヨ コワイヨ」 泣き叫んでも届かない
「ハヤク ハヤク コノバショカラ ニゲタイ」
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