狸と猫
私は丸顔が好きだ。

身近な動物では猫がいい。

猫でも、特にペルシャ系がかわいい。

猫科ではないが、大熊猫(パンダ)もいい。

この間、スタパに泰葉さんが出演したとき、「お母さんから鼻とお尻のおぺちゃを受け継いだ」という趣旨のことを言っていたが、よく見ると丸顔で猫顔のようだ。

フライデーチャイナタウンの流行った頃から知っているのに、実は気づいていなかった。

となると、彼女もいい。

「好み」というものが、動物に限らず、人間にも相通じるものであったのかと実感した。

ところで、イラストに描く狸は大概丸顔だが、なぜだろう。

実際の狸は結構鼻が尖っている。

この間も朝日新聞に赤坂だかどこかに狸が出没するという記事が載っていた。

信楽焼きの置物の隣に、恐る恐る顔を出した姿は愛らしいが、やはり鼻は尖っている。

赤坂といえば今でこそ街だが、近隣には狸穴(まみあな)などという地名が残っている位で、明治大正時代には閑静な場所だったと祖母から聞いたことがある。

狸が出ても悪くはない。一寸は会ってみたい気もする。

人を化かす生き物として馴染み深い狸や狐だが、狐に比べると確かに狸の方が丸顔なのかもしれない。

面白いもので、そんな迷信のある彼らには、実は大変臆病な動物でなかなか人前に姿を現さないという共通点があったりする。


< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop