最後の着信メロディ
5分ほどしてジュンペーさんは何人かのスタッフをひきつれて戻ってきました。

「はい、オッケー。機材とかあるから壊さないで、あとケガとかもしないでね」

そう言うとジュンペーさんは私に手を振りました。

「いってらっしゃい」

「ありがとうございます!」

私が部屋を出ようとドアノブに手をかけると、ジュンペーさんがもういちど声をかけてきました。

「まっすぐ行けばステージ裏にでるからー、あ、あと」

「はい?」

「さっきスタッフに聞いたんだけど、今日片付けてるときなんか変な影を見たとかいってたから、気をつけて」

それを聞いて私とユキさんは顔を見合わせ、互いに笑いました。

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