ジェンガたちの誤算

ひとり暮らし


あっという間に3時間のフリータイムを終えてカラオケの外に出ると、
眩しい日差しは西に傾いていて、蒸し暑さだけが残っていた。

駅まで6人で歩き、電車で帰る私と彩紗が「じゃあ」と言うと、

「あ、来週の陽ちゃんのパーティ、二人も来るの?」

と友哉が聞いてきた。

陽ちゃんが誰だか一瞬分からなくて私は彩紗の顔を見た。
すると茉莉恵が思い出したように、

「そうそう、陽ちゃん覚えてる?前にゲーセンで会った」と言った。

「あー!思い出した、」「元先生!」私と彩紗が声を上げる。

「そうそう、陽ちゃん結婚したんだよ、
 改めてお祝いするの、って言っても私たちだけだから、二人も来たら?」

茉莉恵が携帯をいじりながら言い、
「土曜日の夜から──」と友哉が続けた。


彼が言い終わらないうちに「どこでやるの?」私が聞くと、

「私んち、遅くなったらみんな泊まればいいし」と茉莉恵が言った。

そして彩紗が「みんな?!」と友哉たちを指差して言った。
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