da capo
「……あ、楽譜忘れた。
レイ、先に行ってて?」

道の真ん中にヒロくんは立ち止まって、突然そう言ったわ。

レイは何の疑問も抱かずに承諾して、先に行くことにしたの。



あの時、もしレイがヒロくんと一緒に家に戻っていたら、楽譜なんてなくていいわよってそのままバーに向かっていたら、彼女の運命は変わっていたのかもしれないわね。



レイは1人でバーに行って、ちょっと重めのドアを開けたの。

開店前の静かな店内に、カランコロンってドアに付いている鈴が響いたわ。

いつもはそのままマスターの後ろを通って、楽屋に入っていたのよ。
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