「私」にはなかった「モノ」【実話】

きっかけ。

また退屈な毎日が始まった。

毎日が始まって、毎日が終わる。
それが当たり前で、それが自然な事。
明日、明日がこなかったら人はどうするのだろう。
今日で終わったらどうするのだろう。

そんな事を考えて現実をみない自分がそこにはいた。
現実なんて考えたところで、自分にはどうしようもない悩みにくよくよするだけなんだ。


いっそこのまま死んでしまえたら…


どんなに良いのだろう…
一回死んでみようか。
死んでみたら、何か新しい事が始まって、今から逃げる事が出来るかもしれない。

今日はまだ御風呂に入っていないな、と思った。

今日は1月25日。
何かの記念日だったら面白いかもしれないのにな、と思った。
お祭りの日とかが良いな。
楽しい事は大好きだ。

今のこの現実は、私にとって酷過ぎる。

父が大好きだ。
母も大好きだ。

けれども同時に嫌いでもある。

どんなに好きな人にも必ず嫌いなところ、苦手なところ、好きにはなれないところがある。
家族だってそれは変わらない。


さて…と立ち上がった。
すると、あまり鳴らない携帯が鳴った。

メールだ。

誰からだろう?
いつもなら気にもしないのに、何故か気になった。
誰かに見て欲しかったのかもしれない。
赤い携帯を開くと、知らないアドレスからのメールだった。

イタメかな、と思った。
それかアド変のメールか…

どちらも違った。

まさかこんな時にメールがくるとも思わなかった。
なんてタイミングが悪いのだろう。
もう2時間遅ければよかったのに…
こんな時に…


「よりにもよって」この人から…
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