君ノ存在理由

「嘘、ちょっとあの男子かっこよすぎ！！」


「うわっ！滅茶苦茶イケメンじゃん。」


「女子の方もかわいくね！？」


「俺、あの子好みかも･･･」


　　教室の隅々から同じような言葉が聞こえてきた。
　　確かに女子の方は好みかもしれない。
　　俺はそう思った。


「はいはい！静かにしろよー！！」


　　再び担任の声が響き渡る。


「えー、女子の方は本城知紅（ﾎﾝｼﾞｮｳｼﾙｸ）さん。男子の方は北神麗汰（ｷﾀｶﾞﾐﾚｲﾀ）くんだ。」


　　そうして、本城知紅はお辞儀をした。
　　うん、礼儀正しくてとても良い。
　　しかし･･･
　　北神麗汰の方はお辞儀もせず、ただ突っ立ってるだけ、でもないか。
　　まるで本城知紅をかばうように目の前に立っている。
　　いったいこの二人はどの様な関係なのだろうか？


「えー、二人の席はっと･･･。あ、そこの桜田将の両隣だ。分かるか？」


　　そう言って俺を指差した。


「マジで！？」