帰り道。
矢吹 蓮…。


自然に笑みが溢れた。


しかし、間違ってボタンを押して出てきた名前は


芦田 優輝…。


ズキっ


指が自然と動いた。


『削除』ポチっ


『本当に解除しますか?』

指が止まった。


…。


もういいんだ。


『はい』ポチっ


あたしは今、新しい恋をしている。


新しい自分になる。


そう決めた。


〜♪


うわっっビックリした!


電話だ。


…矢吹 蓮。


えぇ!?


勢いで出てしまった。


「もっもしもし」


「もしも〜し」


「あ、蓮?」


「うん、あのさちょっといい?」


「うん。」


「もし何かあったら、俺に何でも言えよ。」


「うん。ありがと!でもいきなり、どうしたの?」


「いや、最近お前ボーってしてるから(笑)」


「はは…。」


「ま、そんだけ!じゃあ」


プー…


切れた…。


優しい声であんなこと、言われたら


嬉しすぎる!


ありがとう。蓮。


君のその言葉にあたしは、救われた。


ありがとう…
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