Addicted to you
「私、海さんに会いに行ってみます。海さんの口から、きちんと真実を聞きたい。そうしたら、私、少し変われるかもしれないから・・・」
「私は果穂さんが、そうやって生きていく強さを持っていると思っているよ。どんな真実であろうと、ここにいらっしゃい。私の両手は貴方の為に、広げて待っているのだからね」
「はい」

 強くなりたい。

 真実を知って、受け止める強さを持とう。

 私は海さんの身の回りの事は何でも聞いたのに、海さんの気持ちだけは聞こうともしなかった。
 嫌がられるまでそばにいられればいいと思っていたから、海さんがいらないって言うまで聞く必要はないと勝手に決め付けてた。

 しかも、いらないなんて言われていないのに、勝手に他に好きな人が出来たと思って、そばから離れてしまった・・・・・。

 もう、私とは話したくないって思われちゃうかもしれないけど、それならそれでいい。
 海さんの口からちゃんと海さんの言葉が聞きたい。

 真実を求めて海さんのマンションに行った私は、遅すぎる自分の行動にはなす術もないことを思い知った・・・。

 海さんが住んでいたはずの部屋には、すでに名札がなくなっていたのだ。

 私と海さんと繋ぐ糸は、ここで途切れてしまっていた・・・・・。

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