風になったアナタへ
1997年2月某日(リンとの別れまで残り約1年5ヶ月)

~強いリンが語った弱かった頃のリン~

感受性が強く、それを最も分かりやすい形で表現することの出来るリンに転機が訪れたのは、彼女が高校を卒業する頃だった。そんな話を彼女がしてくれた日があった。

目に見える形となったのがこの頃なのであって、おそらく彼女の内側で、その葛藤は、ずっと以前からあったのだと私は思う。

短大に進むことが決まり、親元を離れて生活をすることになった時、リンの内側で渦を巻いていたそれは、リンを愛して止まない家族にとっては、やるせない形となって現れた。
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