answerS

暮羽さんが今日の仕事を明日にまわすと言っていた。

明日の仕事はきちんとこなさなければ、たちまち暮羽さんからの信用を失うだろう。

だから今日中に新たに生まれてしまった“仕事”を片付けなくてはいけない。


“夢太、何がどう無理なのかアレジなら兎も角、説明してくれねぇと俺にはわかんねぇって、”

必死になって僕の言葉を理解しようとしてくれるノイローに申し訳なく思う自分と、奥底で助けを求める自分がいる。


当たり前だそんなの

僕の全てを今この瞬間で終わらせようとしているのだから。

最も失いたくないと思っているものを自分から手離すのだから。


アレジとノイローさえいてくれれば何があったって大丈夫だって思ってたけど。

自分に対する恐怖心に勝てないよ。

僕はどうあがいても優しい人間になれそうにない。


冷酷で残忍で

人に何かを与えられる人間じゃなかったんだ

だって現に今も弟の為だと言いながらチカを殺そうとしている。

何が弟の為だ

自分の為じゃないか。

自分のせいで光を奪われる弟を見て罪悪感を感じたくないだけだ。

「…アレジの声が聞けなくて残念だな…、
今から言う事伝えておいてくれる?」


“伝言位いくらでも伝えてやる”

「ありがとう」

僕はそう言って深く息を吸い込んだ。


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