answerS
・夢と現実
「ちょ…ノイロー邪魔。…掃除出来ないんだけど」
「…うるせぇーヤツ。たまの休み位ダラダラしたっていいだろー?」
今日は週に一度のノイローの休日。
だからすっかりノイローはリビングで日曜のお父さん化している。
この間汚れてしまった古いカーペットのかわりにアレジが買ってきたクリーム色のカーペットでゴロゴロしているノイローと、掃除機片手に仁王立ちしているアレジ。
アレジにとっては、たまの休日だろうがなんだろうが邪魔なものは邪魔だと言うわけだ。
僕はそんな二人を離れた所でぼけっと観察している。
あぁ…、今日も外は騒がしい。
うだうだ言いながらもゴロンと体を避けるノイロー。
いくら優秀なスナイパーでもアレジには勝てないらしい。
なんだかのどか。
アレジに邪魔にされてふてくされ気味なノイローが僕の方に視線を向けてきた。
「…なに?」
僕が読んでいた本から顔をあげると眉間に皺を寄せたノイローの視線とかち合う。
「お前もたまには彼女の一人や二人連れて来いよ。本ばっかり読んでも碌な大人になんねーぞ?」
そう言ってノイローは、くぁっと盛大な欠伸をした。
自分で勉強しろって言った癖にまたいい加減なことを…
「自分一人でも持て余してるのに今はそんなの考えてる余裕ないよ」
僕がそう返すとノイローはつまんねぇー奴ー、と呆れたように首を横に振った。
自分だって最近は彼女作らないくせに。
前まではとっかえひっかえだったのにだ。