answerS

・必要なモノ



夢太との電話が切れてもその場から一考に動こうとしない俺にノイローは深いため息をついて見せた。


わかってる。早く寝ろって言いたいんだろ?

渋々寝室に入るとノイローは夢太の声を聞いて安心したらしく直ぐに布団に潜り込んだ。


俺はそんなノイローの居るベッドに腰を降ろした。


「…アレジ、電気消せ。俺は明日も早いんだよ…」

中々ベッドに入ろうとしない俺にイライラしているのかノイローはこっちを睨んでくる。


よく考えたらこの状況も普通じゃないよな…

夢太が居るときはそんな事を思ったことも無かったけど。


俺はノイローの望み通りに電気を消すとベッドの中に入った。


大の男が同じベッドで寝ているなんて、一般的に考えると気持ち悪いことこの上ない。


俺達は別に恋人関係という訳ではなく、これは夢太がまだ今よりかなり小さい頃に、夢太を挟んで3人で一緒に寝ていた時の名残に過ぎない。


必死になって夢太の親代わりを努めようとしていた頃の事を急に思い出した。


あまりの大変さに投げ出してしまいたいと思ってしまった事もあるけど…多分その苦労が無ければ俺は潰れていたと思う。



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