掻き鳴らせ、焦燥。〜春風に舞う〜





長い長い渡り廊下…………




ちょうど真ん中まで来たあたりで、髪型が変わるくらい風が吹き上げた。



と同時に、視界を横切るサクラの花ビラの群れ。



まるで……
うす桃色の鱗を持った龍みたいな動きで、僕の前を過ぎ去って、天に昇るみたいに舞い上がって散った。








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