あなたが一番欲しかった言葉
いつものように真梨子を家まで車で送り届けた。

「じゃあね」

「うん、じゃあまた」

口ではそう言いながらも、なかなか別れられなかった。

まだ一緒にいたい。

離れがたい2人が可笑しくて、どちらからともなく、くすくすと笑いあった。

互いが互いの気持ちを読み取れるのが嬉しい。

真梨子の髪をかきあげて、そっとキスをした。

唇を離して見つめ合い、再びキスをした。
何度も何度も何度も。


神様って本当にいるんだな。

これまで21年間生きてきたのは、きっと真梨子と出会うためだったんだ。
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