【極短】えんじぇる。
「私は、夏目くんが大好きだよ」


だから「契約」なんてしたくない。
閻魔様は、手に入ることのない天使を思い続けている。


「…俺もリクが好きだよ」

「嘘つき」


夏目くんが私にキスをする。
夏目くんと私は恋人だ。

たっくんは浮気相手だった。

でも、たっくんが私を連れ去ってくれでもしたら夏目くんが少しでも私を気にかけてくれたかもしれないのに。

悪魔は天使にはなれないんだよ…。


「嘘じゃないよ。そんな気持ちでリクと結婚したいなんて思わない」

「夏目くん、大好き…」


悪魔だって、涙が流れる。
これは閻魔様わ思う切ない涙。


「ねぇ、夏目くん」

「ん?」

「お姉ちゃんが、夏目くんを好きだと言ったら夏目くんはお姉ちゃんを選ぶ?」

「え?」

「夏目くん、本当のことが知りたいの」


閻魔様は嘘をつくのが上手い。
だけど、こんな時まで嘘はつかない。


「俺は、リクを好きになったんだよ。何故リクはソラにこだわる」
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