【極短】えんじぇる。
「夏目くん、お姉ちゃんが好きだったでしょ?」

「リク…、聞け。俺はお前が生まれてから今までお前以外を愛しいなんて思ったことはない」

「え?」

「ソラは大切だ。だけど、こうして愛しくて大好きだと思えるのはお前だけだ」


閻魔様が、夏目くんに変わる。
悪魔なんて最初からいない。

夏目くんの顔が、赤くなる。


「私が、誤解してた?」

「お前の浮気を許し続けたのも、ソラを愛してたからじゃない。お前を縛り付けて本当に俺の前からお前がいなくなるのが怖かったからだ」


プロポーズをされてから、1週間。
夏目くんと中学生の頃から付き合って8年。
悪魔は始めて、お前は天使なんだと教えられました。


「夏目くん、ごめんね。私…」

「なぁ、リク」

「何?」

「閻魔と結婚してくれますか?」

「ふふっ、お願いします」


夏目くんに抱き付く。

だいぶ前に、夏目くんとケンカしたとき「夏目くんは閻魔様みたい」って言ったことがある。

夏目くんは、閻魔様じゃないよ。
< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop