初恋+one
そんなことを悶々考える俺。
アホらしいったらありゃしない。
「あ!」
「ふぁえ!? 何! 何!?」
考え込む俺の横で、
あかりのいきなりの大声。
あんまりいきなりだったから、
大げさにビビリまくってしまった。
そして、俺の右手が引っ張られる。
「信号! 変わる!!
ココの信号長いから走って!」
右腕に感じる確かなぬくもり。
俺の少し前では、
あかりが一生懸命に走ってる。
そして俺の右腕には、
あかりの細い左腕が絡まりついていた。
・・・・・・・・え?
人や、雑音が一気に消えた。
目に映るのは、
時折揺れるあかりのセミロングの髪。
あかりと接している部分が妙に熱く感じて、
そこからじわじわ熱くなる。
体温が1度上がったような、
そんな感じ。