初恋+one
「あたし、さっきまで創平と一緒にいた」
「うん」
「ゲーセン付き合えってさ。
女の子をゲーセンに誘うってありえないでしょ?」
「うん」
「それで、そのゲーセンに・・・・・」
そこで途切れたあかりの声。
肩が少し揺れていて、
手を顔に持っていくのが見えた。
「あたしっ、創平が好き・・・・っ!」
「うん・・・・・」
「ただ、ただ想ってるだけでよかった・・・
こんな風に、泣くなんて、嫌・・・っ!」
「うん・・・・・」
「創平の心の中に違う子がいたって
構わないって・・・・そう思ってたのに!
創平の心に居座り続けるその子に、
早く出ていってよなんて、
そう思ってる自分が嫌ぁ・・・・っ!!」
“強がり”の仮面が剥がれた隙間から、
どんどん零れる溜め込んでいたもの。
あかりのそんな弱気な声は初めてで、
なんだか、
あたしまで泣きそうになってしまった。