初恋+one
もう失うものはないはず。
あたしは、
貴大の気持ちを知りたかった。
それで教えてもらったんだから、
―――だから、
あたしの気持ちも知って欲しい。
「柊・・・・・・か?」
戸惑ったような貴大の声。
この声に一瞬決意が揺らぎそうになる。
だけど必死に食い止めて、
唇を小さく振るわせた。
「あたしは、旬が好きだった」
あたしの言葉に、
貴大の身体がピクリと動く。
少しだけ間を空けてから、
もう1度貴大の背中に話しかける。