君一色。


「コウってさぁモテるのになんで彼女できないの?」
「作りたくないだけ。お前こそ颯斗のことまだ好きなんだろ?」
颯斗とは私の元カレの三浦颯斗。私にとって未だに忘れられない存在。
「……そうだけど」
「忘れるには新しい恋が1番だぞっ」
コウは痛いところをついてくる。だけどそれが嬉しかったりもする。
私のことを気にしてくれてるんだなって。

いろいろ話してるうちに駅に着いた。
「誘拐されんなよ」
「うん、じゃあね」
「じゃあな」
今日だけは幼なじみの背中が愛おしく見えた。

家へ帰った私はベットに飛び込んだ。
「なんだかんだでコウもいい所あんじゃん」

「おねーちゃーん」
大声で私を呼ぶのは流音。小学2年生の可愛い弟だ。
「なにー?」
「ごはんだよー」
「はーい!今行くー」

ご飯とお風呂を済ませた私は自分の部屋に戻りコウにメールした。


件名:なし
本文:今日はありがとね(^O^)
またごちになりますっ!


1分後、返事がきた。


件名:Re
本文:仕方ねーな!
明日の昼休み図書室来て。


私は返信しないで寝てしまった。

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