ジオラマの日常
「"社会はそんな夢みたいなこと通用しない"っていうなら、あたし大人になりたくないよ。生きるのだって、やめていいよ。だって、あたしは社会と溶け合うために生まれてきたんじゃないもの」
すごい勢いで言い放った。
物凄い早口になったが驚いたことに、この長ったらしい言葉を一度もあたしは詰まったりせずに言えた。
きっとこれが、暗記しなきゃいけない教科書の言葉だったら
あたしは間違いなく詰まっていただろう。
だけど、これは
あたしの経験と知識から生まれた
あたしの言葉なのだ。
「あたしは、あたしを生きるために生まれてきたよ」
一音、一音を正確にハッキリと発音した。
それは、自分が思っていた以上に力強く響いたので自分でもびっくりした。