サイテー彼氏
「お早うアリス」

 下駄箱で美羽子が話し掛けて来る

「お早う美羽子」

「あっ!お早う雪也君」

 後から来た雪也に声を掛ける美羽子

「ああ、お早う美羽子」

「前から思ってたけど雪也と美羽子知り合いなの?」

「はぁ?あんた覚えてないの?」

「何が?」

「私たち3人小学校1年の時クラス一緒だったでしょ?よく3人で遊んでたじゃん?」

 美羽子が私に言う

「そうなの?」

「そうよ!」

「小学校が一緒だったのは聞いたけど覚えてないや」

「はぁ、どうせエミュエルの事も幼稚園で私達4人で一緒
 だったのも忘れてるでしょ?小学校は隣のクラスだったし」

「うん、昨日まで結城君の事忘れてた」

「あんた頭はクソ良い癖に忘れすぎだよね?私もエミュエルが結城だって
 最近まで気づかなかったけどさ」

「ははははは♪確かにそうだ、あいつは幼稚園の頃から大分変わったもんな」

 雪也が笑う

「あっ!雪也笑った!!ひどい!!ってかあんたも幼稚園一緒だったんならそう言えば?」

「アリスは忘れすぎだなってっね♪そうだよ」

「雪也君よくいじめられてたもんね♪結城にもよく泣かされてたっけ?」

「ああ、あいつは俺の天敵だったな、美羽子は助けてくれてたけど
 アリスは弱いのがいけないんだってよく泣かされたな俺」

「そんな事あったっけ?」

 雪也の言葉に返す私

「あったの!まぁ忘れてるならしょうがないなアリスさん♪」

 雪也が私をからかう

「どうせ私は忘れてますよ」

 私は一人で教室に向かう

「あっ!待てよアリス!冗談だってば!」

 後から美羽子と雪也が来る

「もうっ!」

 私は不機嫌に言う

「忘れんぼ♪くく」

 雪也が笑いながらまだからかう




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