愛して。


…………ん?そーいえば 

今日は拓真くんも私も大学行ってないから私だけが当日にチョコ渡せたってこと…? 



それに気付いて素直にうれしくなった。 


絶対今日、拓真くんに渡そうとしてた子がたくさんいただろうと思うと罪悪感。 

だから心の中でその人たちに 


「私だけズルしてごめんなさい。」

と謝った。 






あ…でも 
あの口紅の人はよかったのかな? 

それとも昨日のうちにもう貰っちゃってるとか?





まぁ、いっか。 

今だけは嫌なこと考えないようにしよう。 



拓真くんがうけとってくれただけでも有り難いことだもん。 







シュルッと結ばれていたリボンをほどいて箱を開けた拓真くん。 


中にはキレイに加工されて並べてあるチョコ。 


すると、拓真くんの顔が少し曇った気がした。 


そして箱を持ち上げて裏を覗き込む。 


勿論そこには中身の材料やバーコードがきちんと印刷されたシールがはってある。 



………え?何?

私何か悪いことしたかな…?








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